2018年4月29日日曜日

私の本棚(20):風景画を描く


・ブログ (ドッと混む・Knuhsの書斎) から転載

── 風景画を描く


 私の本棚を紹介します。

 第20回は、風景画に関する本を取り上げます。


 上掲写真で、右から順に、
(1)「Cincinnati Scenes」、
(2)「歌の絵本Ⅱ」-- 世界の唱歌より --、
(3)「風景画を描く」、
(4)「台湾小景『街道をゆく』スケッチ集」、
(5)「ヨーロッパの街から村へ」、
(6)「水彩画プロの裏ワザ」、
(7)「水彩画プロの裏ワザ PART2」
となっています。以下、【解説欄】で順に紹介することにします。


【解説欄】

▼風景画を描きたい
 私は昔から、暇ができたら絵を描きたいと思っていました。しかし本格的に勉強しょうと思ったわけではありません。本屋で絵の本を見つけると、自分の好みに合うものだとすぐ買い込んでしまうのです。

 そうやって買い集めたものの中から、風景画に関係するものだけを選んでみました。


▼「Cincinnati Scenes」
 アメリカの女優キャロライン・ウィリアムズ(Caroline Williams, 1957-3-27 ~ )が描いたシンシナティの風景画を集めた本です。シンシナティ(Cincinnati)は、アメリカのオハイオ州南西端に位置する都市です。


( 表紙 )

 私の書庫になぜこの本があるのか なかなか思い出せませんでした。シンシナティに行ったことはあるのですが、本屋で購入した記憶がないのです。裏表紙に私のサインと“ '75-7-11”という日付が書いてありますから、多分これが入手した日なのだろうと思い古い手帳で調べてみることにしました。

 シンシナティにはこの時期 1ヶ月程“グリーンベレー(*1)”の仕事で出張したことがあるのです。手帳の記録によれば、6月12日から7月12日までシンシナティに滞在し、それからアリゾナ州のフェニックスへと移動していることが分かりました。

 多分、その前日の11日にシンシナティでの仕事が終り、顧客の会社の人達と別れた際にプレゼントされたものではないかと思われます。客人にシンシナティという場所を知ってもらいたい、という熱意が感じられるのです。私の仕事振りに満足してもらえた証しであると勝手に解釈しています。
【注】(*1)グリーンベレーとは、緑色のベレー帽のことでアメリカ陸軍特殊部隊の通称ですが、コンピュータ業界では、特殊な用語として使われています。重要顧客でトラブルが発生したとき、問題解決のために派遣される特殊部隊を意味するのです。あるいは、そのような仕事に派遣することを指すこともあります。
 
( The Canal at Metamora )       ( Elgin Place )  



( Baymiller Street ) ( Corporation Alley ) ( Dayton Street )



▼「歌の絵本Ⅱ」-- 世界の唱歌より --
 この本は、編者・芥川也寸志が選んだ世界の唱歌(30曲)に、詩情あふれる絵を安野光雅画伯が添えたもので、先に発行された「歌の絵本(日本の唱歌より)」の続編として制作されました。

 巻末に、全30曲の楽譜も付いています。


( 表紙 )



( ロンドンばしがおっこちる )



( 野なかの ばら )



( うつくしき )      ( アマリリス )



NHK 趣味百科 安野光雅「風景画を描く」
 1995年1月~3月にNHK教育テレビで放映された NHK 趣味百科「安野光雅 風景画を描く」のテキストを単行本化したものです。安野光雅画伯が、イギリス,フランス,イタリアの各地を回って、自然や町並みの風景を描いた絵、その時の写真、エッセイなどが記録されています。

 私は、放映された13回の番組内容をほぼすべてビデオに録画して持っていますが、そろそろDVD化して保存しないといけない時期になっています。


( 表紙 )



( 第4回 風景の走り描き )



( 第11回 フランスの古い街 )



▼「台湾小景『街道をゆく』スケッチ集」
 この本は、司馬遼太郎著『台湾紀行』(街道をゆく・四十)の装画として、安野光雅画伯が台湾の現地に取材したときのスケッチを集めたものです。

 その大半は1993年7月2日号より1994年3月25日号まで『週間朝日』に連載され、後に単行本として出版されましたが、ここでは、更に収録されなかったものも加えて、淡彩を施したり、取捨選択して説明文を追加したりと再編集したものです。


( 表紙 )



 ( 天后宮媽祖廟 )  ( 台北 農暦遊街 ) ( 台北 林森南路の廃寺 ) 


▼「ヨーロッパの街から村へ」
 これは、1998年の『週刊朝日』の各号の表紙を飾った絵を集めたものです。安野光雅画伯が、ヨーロッパ(イタリア、クロアチア、ハンガリー、オーストリア、フランス、スペイン、オランダ、トルコ、イギリス)の街から村へと編集担当者と一緒に歩いて描きためたものを単行本化したものです。


  ( 表紙 )  



  ( 中表紙 )  


 
イタリア          イタリア
  ( 花の聖母寺 )      ( 露店の古本屋 )  


 
フランス        オーストリア
    ( 南フランスの田舎 )   ( ハイウェイの休憩所より )  



▼「水彩画プロの裏ワザ」
 水彩画の描き方を学ぶならこの本ですね。プロの画家(奥津国道画伯)が、その手法を懇切丁寧に、まさに惜しげもなく紹介してくれています。

 どういう手順で描いていくかを学ぶと、絵は観察技術の積み重ねであることが分かります。風景画に欠かせない空、樹木、建物、山、川や海などの素材の描き方が解説されていますが、そういった基本的なテクニックを学ぶと、絵を描くのもコンピュータプログラムを作るのも、根は同じだなぁと感ずることがあります。


  ( 表紙 )  



  ( 川辺の樹木の描き方 )  




  ( 遠近法の描き方 )  



▼「水彩画プロの裏ワザ PART2」
 前作「水彩画プロの裏ワザ」の反響が大きかったそうで、その読者の質問、要望等に応える形で続編を書くことになったそうです。前作では物足りなかったところをより深め、紙幅の関係で紹介できなかった技法を紹介しています。大切なポイントは手元のアップを見せながら解説しているのでよく分かります。

 基本的な色の出し方が紹介されているなど、成る程と感心するところが多いです。私にとっては後編の方が役立ちそうですね。


  ( 表紙 )  



  ( 水辺のある風景の描き方 )  



  ( 逆光の水面の描き方 )  



  ( パステル系の使い方 )  



▼本の詳細
(1)「Cincinnati Scenes」Sketches by Caroline Williams:Copyright (c)1962,1968 by Caroline Williams, LANDFALL PRESS,INC.

(2)「歌の絵本Ⅱ」-- 世界の唱歌より --:1979年5月24日 第1刷, 芥川也寸志・編, 安野光雅・絵, 講談社 \1,100

(3)NHK 趣味百科 安野光雅「風景画を描く」:1995年7月1日 講師 安野光雅, 日本放送出版協会, \1,000(本体971円)

(4)「台湾小景『街道をゆく』スケッチ集」:1995年5月1日 第1刷発行, 安野光雅, 朝日新聞社, 定価2,000円(本体1942円), ISBN4-02-256861-5 C0071

(5)「ヨーロッパの街から村へ」:1999年9月5日 第1刷発行, 安野光雅, 朝日新聞社, 本体2,800円+税, ISBN4-02-258658-3 C0071

(6)「水彩画プロの裏ワザ」:2002年5月20日 第1刷発行, 2002年12月2日 第10刷発行 奥津国道, 株式会社講談社, 本体2,000円(税別), ISBN4-06-268369-5 C0071

(7)「水彩画プロの裏ワザ PART2」:2004年3月12日 第1刷発行, 奥津国道, 株式会社講談社, 本体2,000円(税別), ISBN4-06-268392-X C2071




















































2018年4月25日水曜日

天声人語:鉄人衣笠祥雄氏死去


 毎朝、天声人語を声を出して読むことにしている。初見で一か所も読み違えなく読了することをめざしている。毎朝読んでいると最初の数行を読んだだけで筆者の取り上げたいテーマがすぐにそれと分かるようになる。テーマがなかなか読み取れない場合は、筆者もその日は良いテーマが見つからずに苦心している場合が多いような気がする。

 今日(2018年4月25日)の天声人語は『ヤマ場で主軸打者が三振すればファンはむろん怒る。・・・』で始まっていた。私は“ヤマ場で主軸打者が”まで読んだところで、今日のテーマが鉄人衣笠祥雄氏の死去に関するものであることを見抜いてしまった。

 しかし同時に、あの三振した後の有名なコメントも出てくると予想したが、それは外れてしまった。彼が巨人戦で西本聖投手から死球を受け骨折したのに、次の試合で打席に立ちフルスイングで三振したときのことである。彼は「1球目はファンのために、2球目は自分のために、3球目は西本投手のためにフルスイングした」と言ったのである。

 すべての人に気配りをする人だったのである。

 合掌

2018年4月1日日曜日

『私の本棚』を更新しました!!


http://www.hi-ho.ne.jp/skinoshita/wyoteiblog.htm
私の本棚(17):英英・英和・和英辞典
私の本棚(18):パンづくり
私の本棚(19):遊びの本