2022年10月3日月曜日

国葬


・Knuhsの書斎 から転載

── 行進曲を聴いていると感動する?


▼ロンドン橋落ちた
 エリザベス女王が亡くなられた。英国では、エリザベス女王の誕生時点で既に女王崩御を報せる暗号文「ロンドン橋落ちた」が決められていたという。以来、英国では国葬の準備が内々で進められていたのだそうである。

 いよいよ、その国葬の日となった。私は葬儀の様子をテレビ中継で見ることにした。普段なら、オリンピックの開閉会式での入場行進などは見る気が起こらない、全く関心が湧かないのである。盛大ではあるが、各国の選手の動きがばらばらで見ている者を感動させるものがない。行進を見ていても心を動かされるような場面がないからである。

 しかし葬儀の行列なら少しは様子が違うかもしれない。葬儀では整然とした行進が前提となるから何かしら見る者の心に響くものがあるだろう。粛々とした行進なら見る価値があると思ったのである。

 葬儀の日までの間、テレビでは50年前の戴冠式当時からの様々な映像が紹介されていた。当然のことながらモノクロフィルムで保存されていた古い記録なので画質がよくない。それを繰り返し見せられている内に、私は現在の映像技術を駆使すればもっと素晴らしい画像表現ができる筈だと思うようになった。新しい国葬の様子はどのように放映されるのだろうと少し期待していたのである。

▼葬列を見る
 葬儀の当日、テレビをつけるとウェストミンスター寺院に向かう葬列の行進が既に始まっていた。最初の内はぼんやりと眺めているだけだったが、次第に熱心に見るようになった。美しい映像とバックに流れる荘重な音楽とがあいまって期待通りの雰囲気になってきたようだ。

 特に、142人の英国の海軍兵士たちが女王の棺を乗せた砲車の前後を守るようにして白い綱で引きながら行進する様子が素晴らしかった。軍楽隊により演奏される葬送行進曲に合わせて葬列がゆっくりと進んでいく様子に思わず見入ってしまった。


 ( 1 )Hitugi01.jpg

 長時間の放映なので・・・・

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