2018年9月26日水曜日

録画機能の活用法


・ブログ (ドッと混む・Knuhsの書斎) から転載

── 貴乃花親方の引退記者会見を見て


 リビングルームのテレビでは、丁度貴乃花親方の引退記者会見を放映しようとしていた。私は特別に関心があった訳ではないが、しばらく様子を見ていることにした。ところが、記者会見場になかなか本人が現れない。大勢の記者やカメラマンが待ち構えているというのに、この対応はいかがなものか。私は人を待たせるのが大嫌いで、この場面はどうにも理解できないことであった。

 これで本人が出て来て例のゆっくりとした口調で会見をやられたのでは、記者やカメラマンばかりでなくテレビの前で見ている人達もたまらないだろうなぁ。いや、そんな風にせっかちなのは私だけだろうか、などと考えていた。

 そこでせっかちな私めは、テレビの録画機能を使って時間の無駄を省くことにした。すぐさま録画指定をしてテレビの前を離れたのである。

 後刻、録画再生をして見ることにした。待ち時間は「スキップ」すればよい。「早送り」も有効だろうと考えていた。実際やってみると貴乃花親方のしゃべりは「2倍速」にすると普通の会話速度になった。やったぜ!
 その代わり今度は質問者の話が早過ぎて聞き取れない。結局、質問者の時は「普通速度」に切り替えた。

 親方のしゃべりの時は「2倍速」で、質問者の時は「普通速度」で、コマーシャルが入ると「高速スキップ」で、と見事な手さばきで音声を回復することができた。
 いいね! (あっ! ここ を押す場所じゃありませんよ)

 ニュース番組で紹介するときも、こういう処理をしてくれるとよいのだが。

2018年9月24日月曜日

もう一度読みたい本


・ブログ (ドッと混む・Knuhsの書斎) から転載

── ハックルベリー・フィンの冒険


 私の書棚には、マーク・トウェインの「ハックルベリー・フィンの冒険」という本がある。

▼偶然の出会い
 大型書店の中を歩きながら何か新しい本はないかと探しているときに「海外文学」のコーナーで偶然に「ハックルベリー・フィンの冒険」という本に遭遇してしまったのだ。
 早速書棚から取り出してパラパラと頁をめくってみると、分厚い上に装丁も立派で、かなり高価な本である。原書で使われた挿絵が、ほぼすべて含まれているようだ。しかし私は直ぐもとの棚に戻してしまった。こういう本を見ると私は直ぐに買いたくなってしまう性格なので用心したのである。


 ( 分厚くて重厚な装丁 ) 

 ここでしばし考えた。以前から読みたいと思っていた本なのだが、今更大人が読む本ではないような気もする。しかし「今買わないと、いつか後悔することになるぞ」という悪魔(?)の囁きも聞こえてきて、結局購入してしまったのである。

▼読みたいと思っていた
 ここで、私がこの本を読みたいと思うようになった経緯について触れておくことにしよう。
 アメリカの研究所で仕事をしていた頃のことであるが、所長の家でのディナーに呼ばれたことがあった。その際に突然英語でスピーチすることを求められたのである。何も心の準備をしていなかったのでうまくできず、結局は恥をかくことになってしまった。下手な英語でもよいから何かしゃべるべきだったのだ。仕事に関わる話ならいくらでも話せるのだが、その場に出席している人達が理解できる話題を提供できなければ意味がない。そのとき感じたのは、こういう社交の場で必要なのは「英会話力」ではなく(それも必要だろうが)、自分が“語るべき何か”を持っているかどうかが重要なのである。私にはそれが決定的に欠けていたのだ。ソフトウェア技術者としての技術をみがくことには関心があったが、教養をみがく努力が足りなかったのである。

▼教養をみがくには
 後に、医療機器部門の副技師長で 海外出張の経験が豊富なM氏と話す機会があり、このときの体験を話すと良い方法を教えてくれた。M氏も同じような経験をしていたのである。彼が教えてくれた方法は「世界文学全集を読め!」というものであった。要するに誰でもが読んだことのある作品をしっかり読んで、その主人公の生き様、考え方、行動の仕方など何でもよいのだが、それを話題として取り上げて自分の考えを交えて議論を膨らませて行けばよいと言うのである。そのとき例にあげてくれたのが、マーク・トウェインの作品(トム・ソーヤーの冒険ハックルベリー・フィンの冒険)だった。

 たとえば、アメリカに行くのなら「トム・ソーヤーの冒険」が最適だと言う。アメリカ人なら誰でもが読んでいる作品だ(最近はどうなのか知りませんが)。そうやって彼らが知っている物語を取りあげ、その中のひとこまを話題にできれば彼らは喜んで聞いてくれるはずだというのである。そういう話題をいくつか提供できるようになれば心強いことであろう(*1)。しかし私は複数個用意する必要などないと思う。一つだけで構わない。「また同じ話をしている」と言われようとも、初めて聞く人が一人でもいればよいのである。貴方(女)も試してみませんか。
【注】(*1)老婆心ながら付け加えておく。先輩(英語の達人)に聞いた話では、この種のスピーチではジョークを交えて複数回の笑いを取ることが重要であるという。
▼もう一度読みたい本
 特に「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」は大人になってからでも、もう一度読みたいと思う人が多いらしい。それも、もし可能なら、子供の頃読んだときの記憶をすべて消し去り、まっさらな状態で読みたいと思うのだそうである(*2)
【注】(*2)これはある著名な人の言った言葉からの引用(の積り)であるが、誰だったかを思い出せない。正確な表現も思い出せない。困ったことである。
 私は、その後 英語でのスピーチを依頼されることもなく「世界文学全集」を読む必要はなくなった。しかしそのお陰で、今回は気楽にもう一度読むことができた。いや、以前読んだのは子供向けの簡易版であったから、まっさらな状態で、初めて読むことができたのである。

2018年9月20日木曜日

建築の日本展


・ブログ (ドッと混む・Knuhsの書斎) から転載

── 建築の日本展を見て


 友人に勧められて「建築の日本展」を見てきた。
 日本の優れた建築技術を紹介するもので、六本木ヒルズ森タワー53階にある森美術館で開かれていた。そういう方面の知識に疎い私にとっては初めて知ることが多く大変勉強になった。

 日本の建築物と言えば、世界最古の木造建築と言われる法隆寺が有名であるが、現在では最新の科学技術と独創的な発想の妙、そして豊かな表現方法を駆使して建てられた構築物は海外でも有名である。ここでの展示物を見て、あらためて日本の豊かな伝統が現代の建築物にも営々と受け継がれてきていることを教えられた。

 入口の大きなポスターに「遺伝子」というキャッチフレーズが使われており最初は少し奇異に思ったが、縄文時代の住居等の遺物から最新の現代建築までその形質の系譜が綿々と受け継がれていることを表現したものであることが分かった。


入口の「建築の日本展」ポスター

 古代の出雲大社本殿は巨大木造建築だったらしいが、それの模型も展示されていた。
 特に印象に残ったのは、釘一本使わずに組み立てる日本の木工技術である。海外の人がこれを見たら驚くのは当然のことであろう。日本に来た外国人が、日本の古民家を買って住みたがる理由が分かったような気がしてきた。

 丹下健三氏の自宅住居が1/3スケールで再現されていたのも興味深いものだった。確か成城学園の近くにご自宅があったと記憶している。私は、近くを車で通った折に家内から教えられ、よい機会だと思い見に行ったことを思い出した。残念ながら車の中からは建物は見えなかったが、それを模型とはいえ見ることができたのである。


丹下健三氏の自宅住居模型
(展示会ウェッブサイトから引用)

 大阪万博のときに作られた東芝IHI館は、テトラ・ユニット(*1)を1,476個を溶接し立体的に組み上げられた巨大なドームであるが、そのとき使われた部材が展示されていた。ドーム自体は現存していない。
 その他、個人の邸宅や現在建築中の個人の家まで写真公開されていたのには驚いた。
【注】(*1)二等辺三角形の鉄板6枚を合わせた三角錐の部材
 千利休が秀吉のために建てたと言われる茶室 “待庵(たいあん)” が原寸大で再現されていた。待庵の説明ボードを読んでいて私は初めて気が付いたのだが、特定の区域は写真撮影が許されていることが分かった。待庵は撮影許可の出ている区域だったのである。私は最初から全区域撮影禁止であろうと思って、カメラを持たずに来てしまったことが悔やまれた。


待庵の全景

 悔しいのでスマホのカメラ機能を使って待庵の区域だけでもと思い撮影した。以下はその記録である。クリックして見てください。スマホのカメラ機能でも結構見られる写真になっています。


建築の日本展の記録